最近よく耳にする「ナノ」という言葉のイメージをわかりやすく冒険物語形式で
解説した絵本です。
ナノとは、基礎となる単位の十億分の一の量であるということ。
ベンジー少年は愛犬のブルーノとサッカーボールで遊んでいる時に、
「小さくなる」ことについて考えます。
さらに、サッカーボールの模様、五角形の部分にも着目します。
すると、不思議なことに、「五角形や5つのものがつながってできた輪を見るたびに」
十分の一になっていきます。
面白いのは、小さくなって出会う小さなもの(花粉や白血球、ウィルスなど)に、
五角形や5つのものがつながってできた輪があるということ。
ついに、ナノメートルの世界では、バッキーボールが登場します。
バッキーボール?
60個の炭素原子からなる分子のことです。
実は、このバッキーボールの発見によって、ノーベル化学賞を受賞したのが作者なのです。
つまり、この絵本は、ノーベル化学賞の内容にまで行き着きます。
でも、やはり、そのあたりは大人でも難しいですから、
ブルーノの冒険を通じて、ナノというものを体感してくれれば、いいですね。
そこから、たくさんの興味を得て、大きくなってから関心を持ってもらえれば
いいと思います。
私も思わずバッキーボールについていろいろ調べてしまいました。