自分の正直な気持ちを伝えるのって、とっても勇気がいることなんですよね。
絵本の中では、キツネくんがプリンを食べられてしまいます。一度は耐えますが、やっぱり悔しかった気持ちがなくなりません。食べられて悔しかったことだけじゃなくて、自分の気持ちを伝えられなかったことが、もっと悔しかったんですよね。キツネくんは、自分の気持ちと向き合い、勇気を出して、クマくんに本当の気持ちを伝えることにします。そんな、心の葛藤が描かれています。本当の気持ちを伝えた後、仲良しだった2人は、更に仲良しになったような気がします。
息子は、内気というのでしょうか、大人しいところがあります。例えば、遊んでいるおもちゃを、お友達に乱暴にとられたりしても、じっと涙をこらえて耐えています。きっとキツネくんのように、とられて悔しい気持ちと、気持ちを言葉に出来なかった悔しさをこらえているんでしょうね。集団生活に入ると、自分の気持ちを伝えなきゃいけない場面ってたくさんあると思います。一緒に遊びたい、仲間に入れて欲しい時、嫌な気持ちになった時、そんな時に、勇気をもって気持ちを伝えて欲しいなと思っていた頃に、この絵本と出会いました。この絵本を読んで、すぐに素直に気持ちを伝えられるようにはならないでしょうが、勇気を出して自分の気持ちを伝えるということがどんな風なことか、この絵本から何かを感じてくれたら嬉しいなと思いながら、読んでいます。関西弁がちょっと難しいですが、私も息子も大好きな絵本です。