出版社の作品紹介を見てから読むと、ちょっと違う?って感じました。
主人公のカイくんがランドセルを買ってもらってから、おじいちゃんおばあちゃんの貧しい時代のことを知って、色々考えるのかなと思っていたのですが、「おじいちゃん、おばあちゃんのときはランドセルはなかった」と知る場面はあっさり終わり、すぐにカイくんのランドセルを買いに行く場面になります。
ランドセルを買ってもらって、カイくんが心から嬉しく思っているのは伝わってきますが、『おじいちゃん、おばあちゃんに対する感謝』『ランドセルが買ってもらえたことに対する感謝』『改めて、物を大切にしようと思う気持ち』というのは、あまり描かれていません。
新しいランドセルにつまった希望だけを描いているなら満足ですが、昔の貧困の時代の話を持ちだすのであれば、もっと広げてほしかったなと思います。