こんなに読み聞かせに向いてない絵本はないと思います。だって、読んでいる私が涙ぼろぼろで、読めなくなって来るのですから。
登場人物それぞれの、思いやりのある人間的な気持ちが余す所なく描かれていて、どの人の気持ちを考えるても胸が締め付けられそうになってきます。
特に、幼い子供を残して逝かなくてはならなくなってしまったふきのお母さんや、その妻の気持ちを受け継いでひたすら仕事に精を出したお父さん、大好きな父を奪われて敵討ちを決意したふきの心の中で燃える冷たい炎を思うと、私たちが今行きている時代はなんて穏やかなのだろう、それなのに、私たちはなんていい加減に行きているのだろうという気持ちになります。
4歳の娘には少々難しかったようです。でも、折りをみて読み続けて行きたいと思います。彼女が、この絵本の登場人物の気持ちが一人ずつ理解できるようになることが、彼女の成長の証だと思うのです。