世界一強かったおんどりの一生が描かれます。
生まれた時から秀でていたおんどりは、強いことを自負していましたが、
ライバルに負けてすっかり意気消沈。
妻であるめんどりは、子どもたちや孫たちの姿を見せて、おんどりを慰めます。
いつの間にか妻がいて、子どもや孫がいる展開に少し面食らってしまいましたが、
案外時の流れなんてそんなものかもしれませんね。
おんどりとてずっと強い存在でありつづけることが無理であることは、
世の道理ですが、
そんなおんどりの挫折を救ってくれたのが家族であるところがいいですね。
韓国在住作家による作品。
なるほど、家族の絆が強いお国柄だけに、その思想に納得してしまいました。
おんどりに60歳の誕生日祝いなんて発想は、コミカルですが、
妙にリアリティがあって、敬老の日前後に読むと味わい深いと思います。