針仕事がとても上手な、赤手ぬぐいをかぶっている奥さんのお話。
ある日、針仕事に必要な七つ道具、物差し、はさみ、針、糸、ゆびぬき、のしごて、ひのしがが、我こそが一番大事なものだと、口々に言い争います。それを聞いた奥さんは、一番偉いのは、私で、腕のいい私がいるから、お前たちも自分の役目を果たせるのだと怒り出します。ところが、夢の中で奥さんは、七人の仲間の道具が見当たらず、泣き出してしまうのです。
韓国の絵本だけあり、個人的には、その衣装や、文化を垣間見られて、興味深いものがありました。また、七つ道具を擬人化したその姿も、それぞれ個性的であり、ユーモアたっぷりに描かれていて楽しい作品です。のしごて、ひのしなど、馴染みのない道具も出てきますが、使い方も出てくるので子供でもよくわかり、楽しめます。女同士の醜い罵り合いもありますが、最後は、ひとり、ひとり、みんな大切で、誰か一人でもいなくなったら、だめなのだ、という言葉が、とても印象的です。