図書館の今月の特設コーナー「大人のための絵本」にセレクトしてあった本です。
なるほど、幻想的なお話は大人の味わいです。
表紙から大体は察しがつくのですが、月の満ち欠け屋、という仕事のお話です。
毎晩お月さまに大きな布をかぶせて満ち欠けを作るというもの。
思いつきそうで思いつかない、でも斬新な発想ですね。
ずっと従事していたザモレオンじいさんのかわりに、
宇宙学校を卒業したティモレオンという少年が引き継ぐはずが、
月まで飛べる薬を失って・・・。
困り果てたティモレオン少年に、出会った人々がいろいろ秘策を提案しますが、
それらの発想もなかなかです。
不思議なコマ割の絵に、文章も不思議なフォントの文字で、
不思議な効果を醸し出しています。
後半は簡単な仕掛けもありますよ。
ラストがとてもいい余韻を残してくれます。
夜の場面で、やや暗いトーンなので、手に取りにくいですが、
ゆったりとしたおやすみ前に読んであげると、夢一杯の余韻が楽しめると思います。