図書館で背表紙がちょっと見えた。「ぎょうざ?」手にとってみた…なんちゅう汚いこどもの顔だ!これは良い!と中もひらかず園に借りて帰って早速お昼寝前に読んでやった。
表紙をひらく…一面に汚いこどもの顔!顔!顔!それぞれが何やら妙な事をしている。読んで行くに従って、それは主人公のこどもらが顔でいろいろな食べ物を表現していたことが分かる。ふとこどもたちを見ると、一つずつ真似をしているではないですか…。そりゃそうよねえ〜こんだけ自分たちと同じ皮膚感覚で描いてあれば、自分にもできると思うよねえ〜。
まだ一行も読んでないうちからこの本当たり!と判明。
さて、物語は関西のあるお家での出来事。留守番中顔遊びをしている内に、餃子が食べたくなって、その作り方を公園にいる友だちに聞いてあるく。
1人だけ「餃子づくりなら任しとき!」と言ってくれたので、公園にいた友だちみんなでわらわら帰って留守宅で餃子づくりの開始!
当然台所はぐちゃぐちゃ…当然できあがった餃子もぐちゃぐちゃ。ここでこの作者きむらさんがいかにこどもたちの味方であるかが分かる。餃子づくりを指揮していた子が言うのです「おれ もう帰る」なんじゃそりゃあ! でもこどもって案外こんな風にリアリストなんですよねえ。義理とかに縛られてないっていうか。当然主人公うなちゃんは泣き始めます。シクシク?いえいえ。もう涙と鼻水でぐちゃぐちゃに…(さながら目の前の餃子みたいになって)この泣き所だけ読んでも素晴らしい!実にこどもの泣く時の気持ちが見事に表現されてます。
でも母さんと父さんが帰ってきて、みんなの気持ちを持ち上げてくれて、嬉しそうにパクパク食べるというもの。自分たちが気持ち悪いという代物を、掃除もして一緒に食べてくれる両親ってステキ! 読後こどもたちが「ねえ、餃子作ろうやあ」ということ間違いありません。
汚いこどもが苦手な方は、やめた方が良い。
こどもって汚いものだと知ってる方には、超お勧めです。