私の学生時代の先生の中に、沖縄出身の方がいました。その先生が言うには、
「僕の家は、貧乏でとても小さいんだけど、沖縄のお墓は、本土と違って大きいから、僕の家のお墓は、家よりも大きいんですよ。」
これを聞いて私たちは、半信半疑で、笑い出してしまいましたが、数年後、旅行で訪れた沖縄のお墓の大きさには、本当に驚かされました。本当に立派なのです。
家には、一家しか住んでいないけれども、お墓には先祖代々、おじいちゃん、おばあちゃん、そのまたおじいちゃん、おばあちゃん・・・・と、考えてみたらたくさんのご先祖様が住んでいるのです。
そんな祖先を大事にする沖縄の言葉で語られるこの命の鎖のお話は、温かさを感じられる素敵な絵本です。
大勢の祖先の一人が欠けても自分の存在は、ありえないし、逆に、自分が今欠けてしまったら、これから始まるたくさんの子や、孫になるであろう自分の子孫たちは、生まれてこないのです。
そんな当たり前のことなのだけど、人々が忘れがちな命の繋がりを子供にもわかるように描かれています。
たくさんの祖先たちの顔が描かれた見開きは、圧巻です。百聞は一見にしかずで、小さい子にも、自分の前の祖先がたくさんいることがよくわかりますよ。