そうべえシリーズに少し疲れてきたところでしたが、『とくべえとおへそ』は落語を基にしているからか、破天荒なお話ですが違和感なく楽しむことが出来ました。
田島征彦さんも絵に集中できたからか絵にもはりが出てきたように思えました。
天に昇る大ウナギを釣ってしまったために、とくべえさんはカミナリの国へ。
カミナリのごろうさんに助けられるのですが、二人はすでに知った仲。
前作があるのかと思いましたが、そんなことにこだわる間もなくドタバタ喜劇のようなお話にはとても力があります。
人間のへそをハスの葉っぱの水玉に落として地上に返します。
自分のへそが戻ってきたのを喜ぶ人間の声が聞こえてきます。
つぎつぎと息をつかせぬ展開。
そうべえシリーズにはなかった娯楽感があって、大人も楽しめる絵本です。