マクレリーで思い出すのは小さい頃に住んでいた街の風景と、一緒に遊んでもらったお兄ちゃんお姉ちゃんのことです。4年生のお兄ちゃん(みんながいつもそう呼んでいた)、3年生のダイちゃん、2年生のショウちゃんとユウちゃん、1年生のリカちゃんは大の仲良しでした。いつもこの5人で遊んでいました。お兄ちゃんが鼻歌を歌いながら通ります。するとダイちゃんちでドアを閉める音がします。ショウちゃんが門を開けるがちゃんという音が響きます。それからユウちゃんとリカちゃんの姉妹がステップを踏みながら私の家の前を通ります。向かう先はカニ公園です。公園の近くに住んでいた年長さんの私はみんなの気配を察すると、おやつを食べているときでもすぐに飛び出してゆきました。
公園ではかくれんぼをしたり、ターザンごっこをしたり、サッカーみたいなボールけりもしました。いつもお兄ちゃんが新しい遊びを考えてくれました。初めは「みそっかす」だったけどジャングルジムのてっぺんまで登れるようになって一人前に扱われました。
あるとき、お兄ちゃんがもっと広い公園へゆこうと言いました。ところが途中で道を間違え、似たような家ばかり並ぶ住宅地に入り込んでしまいました。同じ所をぐるぐる回っているうちに突然大きな真っ黒の犬に凄い声でワンと吠えられました。驚いてみんなで逃げました。夢中で駆けているといつの間にか元の公園が見えるところまで戻っていました。こんな昔話を時々5歳の子にしてあげられるのもマクレリーのお陰です。