とにかく鮮やかな色使いが目を惹きます。そして、どのページも暑い夏休みの美しい風景で溢れています。また、絵を描くアングルが、ちょっと変わっていて、インパクトがあります。
少年の夏の一日を言葉少なく、シンプルすぎるほどシンプルに、解説ぬきに描いています。ただ、クワガタ捕りにいくだけなのですが、クワガタは、カブトムシよりも数が少ないし、少年の挑戦意欲をそそるのでしょう。その意欲、エネルギーがみなぎっています。しかし、そう簡単には捕れないのが、クワガタなのです。
だからこそ、最後に捕まえた時の喜びもひとしおで、ひどい夕立も気にならずに、ただひたすら突っ走って帰るのでしょう。
なんだか小学生の頃、田舎に預けられて過ごした楽しい夏休みを思い出して、とても懐かしい気持ちになりました。