この物語は、チヌーク族というインデアンに伝わる、古いお話で
す。5つか6つくらいになるぼうやが、とうさんが、せっせとカヌー
つくりをしていたところ、遊びに飽きて一人で家に帰る途中に
行方不明になってしまいました。その少年は、アザラシに育て
られていて、家に連れ帰ってもアザラシと暮らすことを選んだのが
とてもショックでした。とうさんとかあさんも少年のことを心から
愛しているのが伝わってくるし、アザラシの両親も少年と一緒に
暮らしたいのも伝わってきました。春がく、るたびに、少年がつくっ
た新しいカヌーとかいが、送られて生きていると確認できても
私には、あいたくてたまらない気持ちになります。どうしても
少年の居場所が両親の元でないのかと思うばかりでした。
きっと私は、今でも子離れが出来ていない情けない親なんだと
泣けてきました。