ジャネット・ウィンターは、「ワンガリと平和の木」「バスラの図書館」等の実話の絵本で知られています。
今回の作品も実話。
場所は、南アメリカ大陸のコロンビア。
主人公のルイス・ソリアノは、大の本好き。
本を沢山買い過ぎて、奥様から小言を言われてしまうのですが、これはどの国でも同じなのでしょう。
これって、我家でもあった図式なので、笑ってしまいました。
ルイスは考えて、遥か遠い山の向こうに本が無い村に、本の貸し出しをしようとするのです。
2匹のロバに本を積み込んで山を越えていくのですが、村に着いてからの子供への読み聞かせ、その後の本の貸し出しと、本を愛する人ならではの行為に、非常に共感できました。
本の魅力を伝える喜びを知っているからこその行為であって、実に尊いものだと思います。
この絵本の魅力は、やはり絵。
それも、原色使いの絵が、実にコロンビアという赤道直下の土地柄にマッチしています。
遠近法を無視したような構成の絵ではあるのですが、それがかえって魅力的と言えそうな感があります。
やはり、実話というのは何にも替えがたく、読み聞かせに相応しい作品だと思いました。