絵だけで言うと星5以上をつけたいのですが、翻訳だけですと星1、ストーリーは星2、結果、星3をつけました。
翻訳をされた渡辺 茂男さん、かなり多数の翻訳をされていますが、この方の翻訳の『うみべのハリー』を読んだ時以上に、この『きんのたまご』の翻訳は違和感があります。翻訳されていることが分からないわけではないのですが、もっと他にいい翻訳があるはず、と思ってしまいます。
私の読み聞かせでは、伝わり易い言葉使いも意識しています。素敵な日本語が出てくる江國香織さん翻訳の絵本は、原作の言語ではどんな言葉が使われてるのかが気になるくらいです。
こちらは翻訳された年代的なものもあるかもしれませんが、私はこの本を読み聞かせをしていると、途中辺りから毎回「自分なりの解釈文を上から貼ろうかな」と思ってしまいます。難しいとは思いますが、今の時代に合った翻訳でまた出版してもらえたらと思っています。
レナード・ワイズガードの絵については本当に素晴らしく、部屋に飾りたいくらい。絵の枠が卵型になっているのに気付いて、その外側の絵もページごとに違って、また好きになりました。この絵を見たさに購入したので、英語版を買うのもありですね。子供の絵の教材にもなると思っています。
ストーリーは、可もなく不可もなく…です。他の方のレビューにもありましたが、卵に何が入っているのかまだ知らないウサギが卵を蹴ったり石を投げつけたりするのは分かるにしても、生まれたばかりのアヒルが寝ているウサギのことを起こす為に同じことをするのはいかがなものかなぁ…と私も思いました。笑う場面なのかもしれませんが、アヒルは途中でウサギだと分かっているのに、と思ってしまいます。
絵は最高なので、ストーリーと翻訳も良ければ子持ちの友達に薦めたい本でしたが、残念ながらそうはなりませんでした。