落合恵子の「絵本屋の日曜日」(岩波書店)で、「平和をあきらめかけたら」というタイトルで紹介されていた絵本で、この本はぜひ読みたいと思っていました。図書館の展示棚に紹介されていたので早速読みました。
ぼくが小学校4年だった頃、生まれて間もない弟・ヒロユキの配給のミルクを盗み飲みしてしまいます。作者にとっては、大人になっても消えない思い出となって残ります。戦争が、普通の人の普通の暮らしや心までも蝕んでいった様子が淡々と描かれています。
題名が示す通り、ヒロユキは亡くなります。戦争でいつも犠牲になるのは、子どもたちのような弱者。
今の平和があるのは、多くの犠牲になった命があってのこと。それを私たちは忘れてはいけないし、語り継いでいかなくてはいけないと思いました。
一人でも多くの方に、この本に触れてほしいと思います。こうしてレビューで紹介すること、それが私にできる平和を守り続けていくための第一歩だと思えるのです。