これは、サンフランシスコで実際に起きた物語で、
当時サンフランシスコ市で出されたケーブルカー廃止案を受け、それに反対した市民たちが、「ケーブルカーを守ろう」という市民運動を起こしました。
その当時のいきさつをケーブルカー「メイベル」の目線で、
子どもたちが読んでも十分理解できる言葉で描かれています。
例えばケーブルカーの代わりに路面電車やバスの需要が増え、そちらの方がコストがかからない。という話でも、
実際に「メイベル」やバスの「ビック・ビル」が会話という形で描かれていれば、子どもたちにはわかりやすく親近感がわきますよね?
他にも、この作者の表現力と想像力がすごいなと感じるところはあって、
「《住民投票》を描けるためには、請願書に定められた人数の署名 が必要だ」
というシーンで、市民が大きな署名されているらしい紙をクルクルと巻動かしながら市役所へ持って行っているです。
こういう表現って、なかなかすごいと思いますよ。
なんか、この街の人たちの想いとか勢いとかまで感じられますもの!
またどのページも1枚1枚、当時のサンフランシスコの町やケーブルカーの様子がよくわかる描写で丁寧に描かれてあるので、見ごたえがありました。
この作品を読むとサンフランシスコに行ってケーブルカーに乗ってみたくなります。
子どもたちに読み聞かせするなら小学校4年生以上、
ブックトークで、アメリカの歴史つながりとか、乗り物つながりで紹介するのもいいかもしれません。