(原作の『三枚のおふだ』に初めて触れたのは
プロの方による人形劇でした。
大人の僕でもなんたら怖いお話しかと思いましたが、
息子(当時3歳)はそれ以来“やまんば”という言葉にも
怖がるようになるくらい衝撃だったようです。
しかしこの絵本は全然趣きが違いました。)
一言で表現するなら“コミカル”。
登場する“やまんば”はどうにも抜けていますし、
お寺の“和尚さん”はすっ呆けたゆるいキャラですし、
読んでいくほどに、おいおいと突っ込みたくなる場面が
度々出てきます。
また、最後に“やまんば”が色んなものに変身する時に
唱える呪文は、とてもリズミカルで、子供も一緒になって
歌ってくれます。
始めは“やまんば”が出てくるお話しで、子供もおっかな
びっくりでしたが、今では大のお気に入りになり、
そのうち子供が私たちに紙芝居をやってくれそうで楽しみです。
(下記は同じ松谷みよ子さんの紙芝居版にしか出てこないセリフですが、)
特にうちの家族がハマッたポイントをご紹介します。
話しの後半“やまんば”が“小僧”を追いかけてお寺まで
やってきた場面で、
“和尚さん”が“やまんば”に
「もちでもくえや」と言うんですが、それに
“やまんば”は「もちはええなぁ」と返すんです。
いきなり、もち?なんで??という意表をつく展開も
びっくりでずが、それはそれは嬉しそうに“やまんば”が「もちはええなぁ」
と(←感情込めて読むのもポイントですが)言うんです。
ここは息子も一緒に合唱してくれます。
“やまんば”は追っかける恐ろしい存在だったのに、
一転“和尚さん”の手のひらで転がされる道化師
みたいになってしまう、ターニングポイントです。