大人が読んでもこの本の雰囲気の怖さは否定できません。
世の中の絵本の多くが子どもにも大人にも親しみやすい楽しさがあると、勝手に考えていましたが、この本によってそれは覆されました。よい意味で衝撃を受けた一冊です。
正直にいうと、絵が不気味です。でも、緻密でとてもうつくしい。うつろなお母さんの表情、ゆうかいされる赤ちゃんなど、恐怖感がただよっていますが、世の中にはこんなこともあるんだよと暗示しているんですね。
最後の場面は、心の安らぎがあたえられます。どんなことがあっても強く生きなければという意志と勇気が感じられました。子どもにもぜひ読ませるべき本だと思います。