「シナの五にんきょうだい」の作者C.H.ビショップさん作、「サリーのこけももつみ」や「かもさんおとおり」の絵の.マックロスキーさんの絵による作品です。
タイトルと表紙絵から、ギョギョッとしながらも、愉快なお話であることを期待して読みました。
初版はなんと1942年(アメリカ)。
1970年にrenewed。
そして、日本では2011年4月というのですから驚きです。
古き良き時代のアメリカの民衆の生活感が伝わってきます。
さてお話は、ある朝 主人公の男が起きたら、頭が無かった。
家中引っ掻き回し捜してみるも(笑)、頭は無かった。
頭が無いのに、一生懸命記憶を辿り、ブタを売りに祭りに行ったことを思い出し、もう一度祭りに行って、頭を捜すことに、・・・。
だけど、頭が無いまま出かけるわけに行かないので、畑のカボチャを目・鼻くりぬいてかぶってみたが、・・・。
とにかくここまで笑いっぱなし。
愉快な絵に、ひっくり返ってしまいました。
さて、格好の頭を作り帽子をかぶって、祭りの会場へ。
昨日は楽しめなかった祭りの会場をゆっくり堪能する男。
この祭りの様子が、とにかく素敵。
福引・射的・ボーリング。
見世物小屋・サーカスにメリーゴーランドまで。
当時のアメリカに私もタイムスリップできたような気持ちです。
親切そうな男の子に出会い、これまでの事情を説明する男。
自分の顔の造作を説明するくだりは、積み上げ唄。
もう、ここで「出ました〜♪」っていう楽しい気持ちになりました。
ラスト前の男の子の台詞が、読者の???の気持ちを膨らませてくれて、とにかく良いんです。
そして、衝撃の場面へ、・・・。
さてさて、このラストを読まれて皆さんは、どんな解釈をされますか?
私は「夢」と、息子は「魔術が解けた」と解釈に相違が、・・・(笑)。
長いお話ですが、一人読みのできるお子さんなら最後まで一気に楽しめそうです。