ぼくのクラスにやってきた、なぜか平安調の転校生「たかこ」。
「ぼく」はリコーダーなどしているところをみると、
3年生くらいでしょうか。
十二単姿で『こころやすくならむ』『いとはづかし』なんて
しゃべるたかこですが、
9歳の娘はそれが古文法であることが理解できないので、
キョトンとしていました。
傍らで聞いていたパパが大ウケしているのが不思議そうでした。
たかこをいじめていたクラスの子たちが、
遠足で急に降り出した雨から十二単を使って助けてくれたたかこを受け入れてゆく、
という展開は、なんだかゲンキン…いやにリアルな子ども社会という感じです。
ある日突然平安時代に帰る…とか、SF的なラストを勝手に期待していたので、
とくに何事もなくクラスに存在し続けるという終わり方に、
なんだか肩すかしのような気分でした。
9歳の娘は平安調の言葉づかいで話したり怒ったりする面白さが
ピンとこないようでした。
自分の身近な学校が舞台ということでの興味は持って読んだようです。
だんぜん、大人の方が喜んで読みました。