手話を学んでいるので、聴覚障害の理解のために読んだ一冊。
子ども向けの内容になっているので、最初に漫画風の困ったことの実例→理由→対策方法、という形で3人の聴覚障害の子どもたちの学校生活が紹介される。
その後、聴覚障害の仕組み、対応のしかた、暮らし方の工夫、参考資料などが紹介されている。文字も大きく、絵も多く、やさしい印象なので読みやすい。
手話を学んでいると、必ず聴覚障害者の歴史や活動、障害の仕組み、人によって状況が違う、補聴器や人工内耳などの機器、その他もろもろたくさんの事を学ぶ必要が出てくる。大人向けの本と一緒に、こういう子ども向けのわかりやすい絵本を見て、理解を深めるといいのではと思った。
ソフトな表現で、しっかりハッピーエンドで話を終わらせているので安心して読むことができる。実際の生活では、なかなか難しい問題もあるのだが、人生の早い段階の、心の柔軟な時期に、素直に理解ができれば、いじめや誤解、差別などが減っていくのではないかと思う。
手話を学ぶ時に、ろう者の経験談などを聞いたが、改めて絵本で見て、大変だったのだなあとわかった。学校の他に発音やことばの教室に通ったりして、人の何倍も努力したのだと思ったら、手話をそういう人たちから学べる今の自分の状況がありがたいと思った。手話を学ぶ意欲が高まり、聞こえない人たちが前より身近に感じられるようになった。