戦争の発端と平和の糸口をとても柔らかく伝えてくれる本です。
実体験として戦争の悲惨を知っている人ならではの語り口かと思いました。
高い山に分けられた北の国と南の国。
交流がないものだから互いにとても脅威に思っている。
その不安感を抑えるのは友好か征服か?
第一に考えるのは相手を抑え込むこと。
そのために多くの命が失われます。
平和の糸口は言葉ではなく、土の笛の音色でした。
互いに作った土の笛の音色は、言葉以上に饒舌で、わかり合える言葉でした。
わかり合ってみると、同じ人間だったことがわかる。
さりげなく作者の伝えたいメッセージが込められています。
二つの国を見下ろしながら行きかう渡り鳥も象徴的でした。