ロッド・ブラウンの描く絵は、実に写実的で見事である。それだけに、この奴隷の歴史の現実が、リアルに伝わってきて、胸が苦しくなってしまうのである。
かつてアフリカからアメリカへ何百万ものアフリカ人が船に乗って運ばれました。過酷な船の中の状況に絶えて・・・。しかし、実は、途中で何百万人もが海に投げ捨てられて死んでいったのです。そしてアメリカに着いた者は、人間なのに物のごとく売り買いされ、働かされたのです。
かつて、アメリカのテレビドラマ「ルーツ」(黒人奴隷の何代にも渡るルーツのお話)を見た時以来の衝撃を受けました。
そう、私には、すでにわかっていた事実なのですが、この深く悲しい歴史に、改めて愕然としたのです。
もし、自分が奴隷だったなら・・・真剣に考えると、本当にぞっとしてしまいます。自分なら、アメリカまで身がもたずに、きっと海に捨てられてしまったかもしれません。
こんな非人間的なことは、二度とあってはならないのです。しかし、人身売買は、現代においても世界のどこかで行われている現実があります。人事だと、考えがちですが、もしも自分の身におきたら・・・。
ちょっと難しいので、小学生中学年以上でしょうか。