田中清代さん作の「おきにいり」がツボだったので、
同じ田中さんのお作の本作品も図書館で見つけて借りてまいりました。
表紙からしてインパクト大ですね。
田中さんの、「奇妙」なかんじがよく出ていて、面白いです。
トマト畑からどったと落ちてしまったトマトさん。
暑くて暑くてたまらない。
プチトマトたちみたいに、川に飛び込んで泳いでみたいけど、
つい、とかげたちには、
「みっともないから泳がない」なんて言ってしまいます。
本当は泳ぎたかったのに。
体が重くて、川まで転がっていけないなんて…
トマトさんが泣くシーンが、実に秀逸です。
みんなが力を合わせてトマトさんを川まで転がしてあげる様は、
読み手もつい、応援してしまうのではないでしょうか?
冷たい水の中の、さわやかなトマトさんの笑顔が、またなんともいえません。
今回は秋に読みましたが、夏のまっさかりに読むと、涼しさがいや増すのではないでしょうか?