昼の12時に起きて、夜の12時に練るので、目覚まし時計としてお役に立てない時計のお話です。こんなぐうたらな時計のおかげで、主人公の男の子は朝きちんと起きられません。この時計はいねむりすると寝息をたてて止まってしまうし、夜中に歯ぎしりまでします。
主人公と目覚まし時計とのやりとりがおもしろいです。
「・・・おまえ、なんとか言ってみろ!」
「ゴメン、寝てた。」
「じゃあ、ワタシハ『ヨッチャンノ時計』デス」
「『ヨッチャン』って誰だよ」
「アンタノコトニ、キマッテルジャナイノサ」
「ぼくは『ノリちゃん』って呼ばれてるんだぞ」
「じゃあ、『ノリチャンの時計』です。」
かけあい漫才みたいで、子供と一緒に笑えました。
結局男の子は、ぐうたら時計(チビノリ)とまともな時計の両方を持つことになるのですが、チビノリは
「時計トシテ、ジブンガナサケナイ」
ということで、主人公の男の子が寝る時間になるとベルをならして教えてくれるようになります。大人でも小学生以下の子供にも楽しめる絵本だと思います。