わたしたちは日々、色々なものを捨てる生活をしている。
牛乳を飲めば、空いた紙パックを捨てる。
卵を焼けば、その殻を捨てる。
わたしたちの生活は、朝から不要になったものがたくさん生まれては消えてゆく。
もったいないばあさんは、食べ残しをした男の子の元へやって来る。「こんなに残してもったいない」と言って、残したものを食べてしまいます。歯磨き中にお水を出しっぱなししてると、やっぱりやって来る。
「もったいない、もったいない」
とうとう男の子は泣き出してしまうのですが、その涙ももったいないって!(笑)
最初はいつでも現れるばあさんがちょっと怖かった。けれども「もったいない」からは、いろんなアイデアが生まれ、新しいものとの出合いがある。ばあさんは、捨てる前ににもうひと工夫して、まだまだ使えることを教えてくれる。
泣いていた男の子もいつの間にか、もったいない精神を楽しんでいます。
「もったいない」って思うことは、「まだ何か使えるかも?」と、考えることなのかもしれないですね。
この絵本は筆者がお子さんに「もったいないって、どういうイミ?」と聞かれたことから作られた絵本だそうです。
「もったいないを言う人」=ケチ、物を捨てられない人って、なんとなくイメージしがちだけれども、「もったいない」=「おもしろい」というイメージを子供たちが持つということも大事。本書はそんな一冊になっていると思います。