のどかな暮らしを送っているマイケルの家が黒い雲に覆われてしまいました。
作物は枯れ、動物たちは汚れてしまいました。
かつては公害と呼び、工場が環境を考えることなく吐き出していた煙のせいでした。
日本では高度成長と呼び、世界でもこぞって様々に技術革新を行っていた時代。
そのために経済は発展し、そのために環境は破壊されていきました。
この絵本は、そんな時代を痛烈に風刺した絵本です。
マイケルがどうして鳥少年なのかはわからないけれど、化学工場で人工的なはちみつをつくろうとして掃出した煙が、どうして必要だったのか、その時代ならば意味があったことはわかります。
蜂からはちみつをつくればいいじゃないか。
当たり前のことが、工場ではベルトコンベアで蜂を流して、はちみつを生産しようと、とんでもないことを考えます。
こんな勘違いがあったことも大人は知っています。
あたりまえにはちみつを作って、当たり前に自然を考えること。
この大切さを、大人たちが思い出しつつあることを、子どもたちにも伝えなければいけない。
環境問題は誰もが知っていることだけれど、どうして環境のことを考えなければいけなくなったのか、それはちょっと曖昧にされているように思いました。