サブタイトル「羊がかなえてくれた夢」と、表紙絵の荘厳な色調に、もしやと思い手に取りました。
やはり、ルネサンス絵画の先駆け的存在で、その後のルネサンス期の画家たちに多大な影響を与えたジョットのお話でした。
それまでの宗教画に見られなかった浮き彫り的な空間表現や、内面に迫る心理描写など革新的な様式を確立した画家です。
農夫の子ジョットが、イタリア絵画の創始者ともいえるチマブーエに見いだされるまでを中心としたお話です。
『この世でいちばんすばらしい馬』のハン・ガンを思い出しますが、どのような環境にいても、絵を描きたいという内なる強い欲求が、ジョットを突き動かしていた事が伝わってくる逸話でした。
この絵本はミラノ出身の夫婦の合作で、絵を担当した奥さんのビンバ・ランドマンさんの画風は、ジョットの時代を想起させる格調高いタッチと荘厳さの伝わってくるものでした。
読後息子は、「ジョット、ジョット〜♪」といって、私の書棚から画集を引き出し、眺めていました。