アンデルセンの赤いくつの話は、子供の頃に読んで誰でも知っている話だと思います。私は、今大人になって読み直してみて、深いテーマのある話だったのだと感心しました。
華美な浮ついたものにうつつを抜かして、本当に大事なのもを見失っている人を諌める話だとは思っていました。でも、一歩踏み込んで、外因(赤い靴)があったとしても、悪いことをしてしまうのは、結局は自分の心の問題なのだということを示唆している物語だとは知りませんでした。
子供にこのテーマは難しいかもしれません。でも、アンデルセンやグリム童話などは、割愛された幼児向けの物ではなく、小さい時から本物を読ませてあげたいとつくづく思いました。
アンデルセンも生誕200年です。昔に書かれたお話ですが、2004年に降矢ななさんの絵で出版されたこの本を読んでいると、けして昔くさい話ではなく、現代の少女達の姿に限りなく重なってきます。もちろん、大人の私たちにも思い当たる節があって、ドキリとさせられます。