漁師をしているかなこのお父さんが連れてきた、足を一本なくした、たこのななちゃんとかなこちゃんのお話です。
二人?はとても仲良しになり、たこのななちゃんは、かなこちゃんと一緒に学校にも行って、みんなと楽しく学校生活を過ごします。
なかがわちひろさんの絵本には珍しく、多くの色が使われていて、楽しさがより伝わってきます。
圧巻なのは、かなことななちゃんの別れを予期させる夕焼けの海のシーンです。港で手をつないでならんでいる二人の姿がせつなくてなりません。
このお話で残念なのは、かなことななちゃんの別れで終わるのではなく、迷子のペンギンが現れて終わることです。楽しく終わるようにという考えで描かれたのかもしれませんが、とても安易で、この絵本を読む子どもを信じていないように感じられました。かなこちゃんは、たこのななちゃんが海へ帰ったとしても、その思い出を胸にしっかりと生きていけるはずです。そういう子どものつよさを表現して欲しかったと思います。