さくら山には、桜の木がいっぱい。
何か嬉しいことがあるたびに、じいじがこっそり植えた桜。
『ちびすけ』と呼ばれる孫は、いつもさくら山にじいじと桜を見に行きます。
木の調子を調べたり、草花で遊んだり、虫のことを教えてもらったり。
でもある雪の日に、じいじが病気になって…?
おじいちゃんと孫のあったかい関係に、えもいわれぬ懐かしさと切なさがこみ上げてきました。
おじいちゃんの存在が孫にとってどれだけ大きなものか――病気になったおじいちゃんのために、ちびすけが桜の木に向かって「じいじを元気にしてください」と何度も何度もお願いする場面で、よくわかります。
そしてそのことを「桜に聞いた」と答えたじいじにとっても、孫はかけがえのない存在だったんでしょうね。
見開きのページに咲き誇る桜の絵は圧巻の一言です。
さくら山の桜と、じいじから教えてもらったこと・じいじとの思い出は、ちびすけの中にいつまでも咲き続けるだろうなと思いました。