身近にあってなんとも重いテーマです。
痴ほう症でしょうか、記憶が薄れていくおばあちゃん。
老人ホームに入居しているおばあちゃんをぺトラとお母さんのエマが訪ねていきます。
おばあちゃんには自分たちが解りません。
それでも話しかけると、お母さんの妹のことは思い出すのです。
思い出はなくなったのではなくて、引き出しの奥にしまわれてしまって、なかなか引き出すことができないのです。
二人を記憶の引き出しから出してもらえたのは、おばあちゃんがお母さんによく聞かせていた歌。
記憶の引き出しをあける鍵はあるのです。
帰る電車の中で、ぺトラがお母さんに語ります。
「お母さんが私を解らなくなっても、自分は自分の子どもにあの歌を歌わせるからね」。
この親子がいつまでも幸せであるだろうと感じられるラストでした。
少し評価を下げたのは、絵の難しさです。
おばあちゃんの心の中をイメージしたのでしょうか。
抽象的な表現で、絵画として感じるところはあるのですが、お話とのかみ合わせがあまり良くないように思ってしまいました。
残念。