パッと見た瞬間、まず絵がいい!あたたかくてやさしい雰囲気で、この物語の世界を包み込んでくれています。
赤ちゃんがやってくると、上の子は自然と、ちょっとだけ頑張らなくてはいけなくなります。タイミングのいいことに、ちょうど、頑張れば自分でいろんなことができる歳頃です。
お母さんは、きっと愛情深くなっちゃんと向き合って育ててきたのでしょう。なっちゃんもお母さんが赤ちゃんのお世話で忙しいのを感じとって、いつもしてもらっていることを一生懸命まねて、「自分でしてみよう」と頑張り、「ちょっとだけ」できます。笑顔のなっちゃんはひとりでできた達成感を感じているようにも見えます。
でも同時に、お姉ちゃんになって今までの世界が変わってしまったことで寂しさや不安も感じています。
下の子が産まれて、お姉さんになったなっちゃんの気持ちや頑張りがとてもよく伝わってきます。
そして最後、お母さんに抱かれるなっちゃんの幸せそうな表情!
この時のお母さんの背中が、いろんなことを物語っています。気持ちが痛いほどわかって、泣いてしまいました。
我が家では赤ちゃんが産まれてから、やっぱりがんばり屋のお兄ちゃんになった息子が寝る前に「読んで」と本棚から持ってくるようになりました。この絵本が息子の気持ちを代弁してくれていた気がします。
読み終わると、最後の抱っこのやり取りを同じようにして、いっぱい心の充電をしていました。
お姉ちゃん、お兄ちゃんになった子と一緒に読んでほしい、ほんとうにいい本だと思います。