父親にとって息子とは何だろう。自分が年をとってから授かった息子。
自分の帰りを迎えに来てくれる息子。
木版画の哀愁ある色彩の絵で強く感じるのはそんな光景です。
そんな息子が、小学校に入るころ死んでしまう。
膨らんだものがはじけ去って残るのは悲しみと子のない夫婦。
身につまされるのは、自分と共通項があるから。
年取って子どもを授かって、それまでと生活が変わってしまった自分。
子どもがいなかったら、絵本を読み聞かせすることもなかったんだなあ。
この絵本のような過去形で息子は終結せず、今は反発ばかり。
それが成長なんですね。
自分の話になってしまったけれど、この本は父親にとって息子とはを考えさせられる絵本です。
お父さん向けの一冊です。