「ねえ だっこして」という題名から主人公は、あかちゃんかと思いきや、さにあらず。
何と、ねえ だっこしてと言うのは、傍らにいる猫。
ずっと、猫の目線で物語は進みます。
読み続けると、猫は、もしかすると赤ちゃんのお兄ちゃん、お姉ちゃんの気持ちを代弁しているのではないか?
と思えてきました。
猫に語らせることにより、気持ちの部分だけを、鮮明に描写する効果を狙った気がするのです。
最後は、以下の文で結んでいます。
「だけど だけどさ
わたし まってるから
あとでで いいから
ねぇ おかあさん おかあさん
ときどき わたしも だっこして
すこしで いいから
だっこして」
心の琴線に触れる言葉です。
きっと、遠慮がちなお兄ちゃん、お姉ちゃんが思っているであろう気持ちは、両親として気をつけないとならないこと。
下のお子さんが生まれた頃に、読み聞かせをすると、親子で素直に感じることが出来る絵本としてオススメします。