以前からタイトルが気になっていました。
「とっとき」って何だろうと?この絵本を読んで調べると納得しました。
「とっておきのとりかえっこ」なのですね。
バーソロミューというおじいさんとネリーという女の子の物語。
ネリーが赤ちゃんのとき、乳母車に乗せてバーソロミューが散歩に連れていっていました。ネリーは一人で歩きたがるので、バーソロミューは必要なときだけしか手を貸さなかった。そしてだんだん月日は流れ、ネリーは学校に通うようにバーソロミューは杖を使って歩くようになっていきます。でも2人の関係は変わらず、仲良し。月日が流れると、2人は以前の逆のようになっていきます。ネリーが手を貸したいと思うことが増えていきます。でもバーソロミューは1人でしたがるので、必要なときだけしか手は貸しません。ある日、転んでしまったバーソロミュー。家に帰ってきたときは車いすでした。散歩に行けないと悲しそうなバーソロミューにネリーはそんなことないと言って、車いすを押して散歩に出ます。近所の人に声をかけられて、ネリーが言う「とりかえっこみたいなものね」というセリフが胸にひびきます。
お互い一緒にいるのがごく自然なこと。これこそ、まさに理想の育児や介護のあり方だなぁと思います。2人がお互いを想い合う様子が絵本から伝わってきてとても心が温まります。ほんとうに素敵な絵本です。