【内容】
毎日のように食卓にならぶお肉。このお肉はいったいどこから、どうやってやってきたのだろうか。牛や豚や鶏などが、育てられ、と殺場に運ばれ、殺され、食肉として出荷されているから、私たちはおいしいお肉を食べる事ができている。
その仕事はいったい誰がやっているのか。なぜテレビなどで放送されないのか。
お肉を食べる事を通して、生き物の命、そして、人権問題も考えさせられる一冊。
【感想】
可愛いイラストとは裏腹の、かなりハードな内容。肉を食べることは、当然、生き物を殺して処理して食べていることだ。スーパーなどでパック詰めされて並んでいる肉や魚が、もともと生き物であったということは知っていはいても、その事を意識して食べてはいなかった。いや、敢て意識しないようにしていたと、この本を読んで改めて思った。
更に、動物が肉になる前に、必ず動物を殺して処理してくれる人達がいる。私はそういう職業の人たちに会ったことがない。ドキュメント映画で見ただけだ。
筆者が指摘するように、日本では魚をさばく場面はテレビで放送されているが(例えばマグロの解体など)、動物をさばく場面は見たことがなかった。私は実家が農家で、鶏を飼っていたので、鶏を殺して食べる場面を見たことがある。しかし、そのような個人的な体験がないなら、一生動物を殺す場面は「見ないで済む」かもsれない。
誰でも肉を食べる人は、肉がどうやって食卓に来るのか知っていた方がいい。それは単に「食べ物を粗末にしたら勿体ない」という理由だけではなく、たくさんの人が関わり、命を頂かないと、私たちは生存できない世界に生きていると理解するため。命はあちこちで関わり合っている。