明治中期に三遊亭圓朝がイタリア歌劇『靴直しのクリスピノ』から翻案したとされているそうです。
グリムの『死神の名付け親』も大変類似していて、学者さんの中には、こちらからの翻案ではないかとの見方もあるそうです。
それにしても、落語のネタには海を渡ってきているものもあるんですね。
このおはなしの死神さんは、情け深くなかなか寛容です。
居眠りなんかしちゃって、可愛い。
それに引き替え、主人公の男は死神に仕事を世話してもらって、暮らし向きが良くなった途端に、奢侈に溺れなんとも人間の浅ましさ、愚かさを再認識させられるようなキャラでした。
「…それをおまえは、五千両の金に目が眩んで、寿命を売り渡してしまったんだ」
の死神の言葉は深イ〜ですね。
優しい死神を出し抜いて、このまま終わるわけがないと思ったのに、懐の広い死神さん。
えっ?いいの〜?そんなことまでしてあげて。
最後のおちは、絵本ならではの表現効果があると思います。
“アジャラカ・モクレン・キュウライス・テケレッツのパア” の、死神の消し方の呪文も息子にうけました。