戦争や平和をテーマにした絵本としては、他のものとは切り口がちょっと違う絵本でした。毎年夏になると、毎月行っている中学校の読み聞かせで、平和の絵本を選んでいるので、いろいろい探した中の1冊でした。現実の世界では、「せめてきたら困るから、備えるために軍や核兵器を持ち、どんどん大きくしていく・・・」というのが世の中の常識みたいになっているけど、この絵本はその逆説。まだ攻めていない国がひとつ残っていて、行ってみると、兵隊を持たない国だった。兵隊がいなければ戦争もできない・・・それどころか、小さい国は、攻めていった大きい国の兵隊さんたちをお客さんみたいに歓迎し、美味しい料理や、遊びを教える。いつのまにか大きい国の兵隊さんは料理を習い、畑仕事までするようになってしまいます。大統領は相変わらず、「大きい国はつよい国」といさましいけれど、それがとっても滑稽に見えてきます。争いをやめて、世界中が平和に暮らすというのは、本当は難しいことではなく、こういうことなんじゃなかな?!と、自分の感覚のどこかで共感できました。