鬼ということを自慢にしているおに。でも毛虫に驚いてタヌキにしがみついてしまいました。その日から、おには家に閉じこもります。自尊心はあった方がいいに決まっているけれど、傷つくと厄介ですよね。
私も人一倍人の目が気になるし、よく見られたいと思う方なので、おにの気持ちがよくわかりました。
おにの気持ちを知ったイタチとタヌキが実にけなげです。こんなに自分のことを思ってくれる友だちがいたら、恥ずかしさを乗り越えて何とかしたいと思いますよね。
おにのナイーブさと、友だちのありがたさがよく描けている本だと思いました。読んだ後、温かい気持ちになります。作風的には「ともだちや」路線かなと思います。