絵本の冒頭で、おじいちゃんが突然、心臓発作で死んだことが語られています。そして、主人公のエリックも現実を淡々と受け留めています。
しかし、お葬式の夜に、おじいちゃんが突然エリックの部屋へやって来たのです!
大好きなおじいちゃんが、死んでしまったという悲しい事実がありながらも、そのおじいちゃんが、おばけになって現れたことで展開が変わり、なんともユーモアあふれるほのぼのストーリーへと様子が変わって目が離せません。
中でも、おばけのおじいちゃんによる壁抜けの技は、必見です。
でも、なぜおじいちゃんは、あの世に行けずにおばけになってしまったのでしょうか?
それは、「この世にわすれものがあると、人はおばけになる」からなのだそうです。
そう、おじいちゃんは、何か重大な忘れ物をして、死んでしまったのです。その何かが、どうしても思い出せないおじいちゃんは、エリックと毎晩考えることになります。
笑える話ではありますが、やはり始めに「おじいちゃんの死」が、あるわけですから、最後におじいちゃんと本当の意味で、別れる場面は、ちょっぴりジーンときてしまいます。
それでも、あくまでも前向きなエリックの最後の一言が、とても爽やかで、お涙頂戴のストーリーではないところが、この絵本の読みやすく、お奨めなところです。