言葉遊びの本かと思い、手にとってみましたが、
そうではなく、不思議な読後感の残る作品でした。
5つの言葉、あ、い、う、え、おが主人公。
でも、姿はありません。
この言葉達の会話で物語が進みます。
みんなでみんなの世界を作ろうよ。
それぞれ、個性的に自分の抱負を語ります。
満遍なく、いろいろな世界。
天地創造って、案外こんな形でできたのかも、と思ってしまいました。
みんなで協同する清々しさまで伝わってきます。
もちろん、他の言葉達も最後には合流。
万物には言葉が宿っている、ということでしょうか。
文章も不思議なリズムで展開していて、
感性で感じ取ってほしい作品だと思います。
あべ弘士さんの絵ですが、いつもとやや違った印象を受けました。
でも、絵の生命力は健在でしたよ。