世の中、星の数ほど絵本が出ていますが、絵もお話も揃って素晴らしいというのはやはり貴重です。
この本の素晴らしさは、お話もさることながら、静かなそれでいてとても力強く印象的な日本画家秋野不矩さんの絵に尽きると思います。
実はつい最近までインドの方が描かれたのだろうと思い込んでいました。それほどに異国の香りが漂う作品です。
しかし、よくよく思い出してみると、きんいろのしかが跳ねてゆく場面などはまるで美しい日本画のようでした。
一昔前の絵本は、いいお話と共に本格的な画の力を知るいい機会を作ってくれる事が多かったような気がします。
ぜひあの素晴らしい体験を子供にもさせたいと思い、捜してみたら、今は絶版になってしまっているとの事。
非常に残念ですが、また本屋さんに並ばないかな・・・と切に願っています。