うさぎさんが小さなイスを作り『どうぞのいす』という立て札をつけ、
みんなの通り道?に置くことにしました。
初めにやってきたのは、ロバ。『どうぞのいす』の立て札を見て、
その親切なイスにたくさんのドングリの入ったカゴを置き、
木陰で休むことにしました。そこで、ついお昼寝。
そこへクマがやってきます。『どうぞのいす』の立て札を見て、
「これは ご馳走さま。どうぞならば遠慮なく頂きましょう。
でも、空っぽにしてしまっては後の人にお気の毒。」
そこで、代わりに蜂蜜のビンを入れて去っていきます。
次はキツネがやってきて、同じように蜂蜜をもらって
代わりに 焼きたてのパンを置いていき、
10匹のリスがやってきて、同様に焼きたてのパンをもらって
代わりに クリをいっぱい、カゴに入れて行くのでした。
そこへロバが目を覚まし、中身が変わっている様子を不思議がるお話です。
最初にやってきたロバがイスに腰かけずに荷物を置いたばっかりに
“どうぞ”の意味をみんなが履き違えて、「ご自由に座って」の意味ではなく
「ご自由にカゴの中の物をお持ちください」になっているところが面白い。
それと、疲れきっていて長々と眠ってしまったロバが
自分の眠っている間に起こった出来事を知らないところも…♪
登場人物の 優しさの連鎖が、読み手の心を温かくしてくれます。
ことわざの「情けは人のためならず」とは、まさにこのことですよね!
この感想を書いている今日は2005年8月6日、広島原爆の日です。
15日には、終戦60周年記念日を控えています。
世界中の全ての人が、この「どうぞのいす」の登場人物のように
他の人のことも思いやって行動すれば、この世から戦争がなくなりそうなものですが、
実際は そんなに上手くはいかないのでしょうか。
時節柄、世界平和を願いながら読んでしまいました。
子供たちには、まだそこまで分からないのでしょうね。。