言わずと知れたアンデルセンの名作である。
マーシャ・ブラウンの描いたこの絵本は、アンデルセンの世界観を忠実に描いていておすすめです。
出来損なって一本足のスズの兵隊が、紙でできた美しいバレエの踊り子に恋をします。娘がバレエのポーズで片足を後ろに伸ばしていたのが見えずに、自分と同じ一本足なのだと思い込みます。その後、兵隊は、アクシデントから外に落ちてしまい、巡り巡って元の家に戻るのですが、その流浪の民の間も娘のことを思い続けるのです。
小さな人形が、広い世界に飛び出してしまい、不安で一杯になります。不運続きの哀れな兵隊が気の毒でなりません。
ラストは、悲しいとも、よかったともとれるのですが、私は、一緒に燃え尽きて幸せになったと思います。
おもちゃの世界の美しい恋愛。何度読んでも悲しく、それでいて素敵なお話です。