やわらかく描かれた動物たちが、とても優しげな雰囲気で、とてもかわいらしい絵本です。
友達の欲しい、ちびうさぎ。みんなに遊んでもらえなくてしょんぼりしていると、カラスがやってきて、持っていたクッキーと、友達が孵るという卵を交換しよう、といいます。
大事にしてたら、なかよしが生まれてくると、カラスは言うのです。
うさぎは、クッキーとその卵を取り替えました。
川辺にやってきたちびうさぎの前に、耳がぎざぎざのこぎつねが現れます。
ちょっぴりはねっかえりで、意地悪で、でも本当はとっても優しいこぎつね。
こぎつねは「カラスにだまされたな。今頃カラスは笑ってら」と言いますが、うさぎは信じません。
さて、本当に卵から、なかよしは生まれてくるのでしょうか?
…こうして、さわりを書いただけでも、大方の大人は話の展開が予想つくのではないでしょうか。
けれども、読みながら、作者がこの分かりやすい展開を、どううまく見せてくれるのか、こちらとしてもドキドキしてしまいました。
ちょっと長いお話でしたが、子供も一緒にちゃんと理解して聞いてくれたようです。
話の内容が読めても、満足のいく、読後感のよい一冊でした。