表紙のアイスクリームのおいしそうなことといったら!バニラアイスクリームを如実に表現しています。どこかのアイスクリームのCMに使ってもいいくらいおいしそうで、思わず手に取らずにはいられません。夏といったらやはり、アイスクリームだと思うので、季節を感じてこの季節に読むのはまさに“旬”だと嬉しく思いました。主人公の男の子はアイスクリームが好きだからこそ思い入れがあり、こだわりを持っている。だから自分の厳選した食材を使って作ってみたかったのだと思います。”ばかね。”という言葉をさらりと使った先生。”ばかね。”という言葉を真摯に受け止めた主人公。言葉は時に恐ろしい。言った本人はそんなつもりではなかった。だが、人を傷つけてしまう。そんな言葉の持つ力の強さを先生と主人公の対話から読み取れる絵本です。そして、大人は概して自分の過ちを子供に対して認めない傾向が強いように日々感じているがこの絵本の先生は違う。この先生のもとで育つ子供たちはきっと、先生のようになるだろう。そう思いました。自分が故意にしたことでなくともそのことによって人を傷つけてしまったとしたら言葉で、態度で謝罪する。とても大切なことだと思います。私を含めてそれをしない人が多いように感じます。簡単にできそうなことだけれどなかなかできない。反省しなければ。強く思いました。そして、先生との誤解が解けて、自分の持ってきた卵でアイスクリームを作っても良いと許可をもらった時の主人公はとにかく別人のよう。自分を評価されたと感じれば嬉しいしやる気にもなる。そう感じました。主人公のごんちゃんを自分の娘に置き換えて再度読みました。私も気をつけなくっちゃ。そう思いました。そして、何かを作るということはやはり楽しいことだと再認識しました。娘と何か作りたくなりました。