私は機能不全家庭で育ったアダルトチルドレンです。
個性や意見の相違を認められなくて、母となってからは自然と親兄弟と距離を置くようになりました。
あかねこに自分を重ね、家族に白や黒を押し付けられていた過去を思い出してしながら読みました。
物語の終盤、あかねこは家を出て、あおねこと出会って、個性豊かな七色の子猫を産みますが、親兄弟との和解の描写がないことに違和感を感じる方もおられるようです。
ですが、私にとっては、親兄弟と和解しなくてもよい、私は私のままでよい、私の人生は私が決めればよい…そう後押ししてくれる初めての絵本でした。
ちなみに、作中であかねこが自己主張や反論をしている場面はないのですが、白か黒かだけに染めようとする環境のなかでは、そんなことしようとも思わなかったのかもしれません
親や兄弟を大切に、助け合って生きる姿を描いた絵本はたくさんあります。
ですが、どんなコミュニティにおいても「みんなと仲良くする」ことができないのと同様に、親や兄弟と仲良くできない人がいます。
先行き不透明な現代では、家族の呪縛から逃れられず、悲しい結末を迎えるニュースも後を絶ちません。
最も身近な家族という枠組みで苦しんでいる子どもが、この絵本に出会って、家族から逃げ出す選択を得てくれたらいいなと思いました。
アダルトチルドレンにとっての癒しや手引きになることが作者の意図するところではないかもしれませんが、少なくとも私はこの絵本に会えて救われたし、同じような痛みを抱えている人には同様に救いになるはずです。
今はまだ心づもりができていませんが、いつか子どもたちと一緒に読んで、「このあかねこ、お母さんみたいなの」と、昔話をしてみたいです。
この作品に出会えてよかったです。