わぁーダヤンだ、懐かしい〜。絵本ナビのページで、思いがけず旧友に再会しました。
そしてダヤンとの再会は、自然と新宿駅近くの小さなお店の記憶も呼び覚ましました。20代の初めに、仕事や遊びで東京に行ったおり、しばしば立ち寄ったお店です。狭い店内には、ダヤンのグッズがあふれ、自分と同世代の女性で賑わっていました。実際に買うよりは眺めていた回数のほうがずっと多いのですが、あるとき革のパスケースを購入し、長い年月かばんに入れて持ち歩いていました。
革のパスケースを愛用していたわたしにとって、ダヤンのイメージはこげ茶色なのです。実のところ、若い頃にはダヤンの本を読んでいませんでした。それが、今回のレビュー企画を知って、初めて「森の音を聞いてごらん」を手に取り驚きました。こんなにも瑞々しい色の溢れた世界だったのですね。
そしてストーリーの意外性にも驚かされました。この絵本の中では、ダヤンは風の精に導かれてアルスの森へとやってきます。そこで熱帯雨林に住む個性的な動物たちと出会ったり、樹上から虹を眺めたり、木々の間を走り回ったりと、楽しい冒険が展開されます。またこの土地には、大昔からたくさんの命を育んできた豊かな森の他に、ニンゲンの作った森があることも知らされます。ダヤンの目を通して、ボルネオが抱える問題を危惧する作者の思いも込められた物語でした。
この絵本をきっかけに、熱帯雨林やボルネオに関することなどを、4月に小学校に入学する息子と勉強してみるのも面白いだろうと思っています。またダヤンの絵本は他にもたくさん刊行されているようなので、それらを読む楽しみも増えました。子どもへ本の読み聞かせをする中で再びダヤンに出会い、若い頃とは別の楽しみ方ができることに改めて絵本の魅力を感じました。